2005年6月23日 
第162回国会 衆議院 郵政民営化に関する特別委員会
[質疑項目]


 (1)政府広報としての新聞折込チラシ発注における随意契約の締結過程についての竹中大臣認識

 (2)民営化会社職員の年金制度の国家公務員共済から厚生年金への移管について

   ア 移管に係る検討状況
   イ 民営化法案の提出以前における厚生労働省への協議の有無
   ウ 移管に要する期間が旧三公社と同様に長期間となる懸念
   エ 移管金を検討する必要についての尾辻大臣所見
   オ 移管について結論を出す時期及びその内容
   カ 現在の公社職員に係る基礎年金の国庫負担部分の財源
   キ 民営化により毎年 350億円の一般財源が必要となることの確認
   ク 移管の検討における地方公務員共済及び総務省の扱い
   ケ 移管を検討することの重要性についての竹中大臣所見

 (3)公社の中期経営計画について

   ア 中期経営計画の期間中に民営化法案を提出することの妥当性
   イ 日本郵政公社法第 66条第3号(中期経営目標に係る業績評価を行う際の審議会等への諮問)の趣旨
   ウ 中期経営計画の評価における民営化法案の位置付け
   エ 民営化についての公社総裁所見

会議録抜粋


○中村(哲)委員


 一事が万事こういった姿勢でいるから、なかなか竹中大臣がおっしゃることは私たちの頭の中に落ちていかないということなんですね。

 それでは、もう一点指摘をさせていただきたいと思います。

 昨日、当委員会の理事会に提出していただいた政府の資料は、十一時現在のもので五十六枚、そして後で、契約書が四枚ですか五枚ですか、出していただきました。この五十六枚については、私は自分のウエブサイトでもPDF化して公開させていただいておりますが、その七ページを見ていただきたいんです。

 これは六ページ目に、二〇〇四年十二月十五日、有限会社スリードが出してきた「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」というものがあります。その七ページ、次のページをめくっていただきまして、そこにターゲットとする層についての説明が書かれております。

 先ほど馬淵委員も指摘させていただきましたけれども、ここにはこういうことが書いてある。IQという軸をつくっています。IQ軸、ハイ、ロー。ローのところにBのターゲットがある。「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える。」お勉強が足りないから教えてあげましょう、このプロモーションが必要なんですよということを言っているんですね。そこのB層、小泉内閣支持基盤、主婦層アンド子供を中心、シルバー層、具体的なことはわからないが小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層、こんな失礼なことを書いているんです。

 これが、竹中さんがつくられた「郵政民営化ってそうだったんだ通信」の企画書の中身なんです。あなたは、こうやって自分の写真がしっかり出て、「よろこんで!郵政民営化って、わたしたちの町と暮らしを元気にするそのためのもの。」そういうせりふが出てくる企画書が、国民をばかにした、B層をターゲットとしたもの、これを認識して、自分が出演しているこの折り込みチラシの出演に承諾しているわけでしょう。この企画案をあなたはどのように認識しているんですか。

○竹中国務大臣

 御指摘の資料は会社がつくった資料と思われますが、この資料について私が説明を受けたこともございません。IQ等々について話をしたこともございません。

 広報そのものは、郵政民営化タスクフォースで検討が行われまして、主に大都市圏で購読者の多い全国紙での新聞広告、そして、サラリーマンや女性に向けた雑誌広告、若者を対象としたラジオCMや国民一般を対象としたインターネット・バナー広告とともに、地方で折り込みチラシの配布を行う、その広報のパッケージが事務方で提案されたというふうに承知をしております。

○中村(哲)委員


 私は、あなたの、その私は知りませんという態度はどうかと思いますよ。

 次のページには、「波状的かつ累積的にラーニングを行う。」と書いてあるんですよ、IQの低い層には「波状的かつ累積的にラーニングを行う。」こんな失礼なことが。現場の担当者は認識しているわけです。

 あなたは知らないと言うのならば、こういったスキームで、B層、IQが低い層にターゲットを示して、こういった企画を打っていくんですよということを、竹中大臣、あなた聞いていなかったということなんじゃないですか。現場からそういったこの企画案の趣旨なども、あなた、大臣として認識していなかったということですよ。そんなのでいいんですか。

 あなたが出演する、それもあなたが郵政民営化の本質的なことを、それこそ一千五百万軒、都市部を外して田舎に投入する、そういったことを戦略的にやってつくっているペーパーでしょう。あなたにとっては非常に重要なペーパーなんですよ。そんなもの知らされていなかった、知らなかったでは済まないんです。知っていたんでしょう。知っていたけれども、知らなかったということにしているんでしょう。あなたみたいな頭のいい人だったら、そんなの把握しないはずないじゃないですか。

 本当に知らなかったんですね。知らなかったと言ったら、大臣として部下のやっていることを把握できなかったということですよ。それでよろしいですね、知らなかったということで。

○竹中国務大臣

 御指摘の資料は会社がつくった資料と思われますが、事務方からそのような説明を受けたことはございません。

 我々は、先ほど申し上げましたように、タスクフォースでのしっかりとした検討を踏まえ、さまざまな広報を行っているわけでございます。

○中村(哲)委員


 よくそんなこと言えますね。会社が提案したから、そんなものだから。そんな答弁でいいんですか。

 皆さん、この提案書がすばらしいといって、独創的でほかの業者はいないからといって契約しているんでしょう。中身がしっかりわかっているということじゃないですか。それに共感して、業者の提案した内容に共感したから随契で結んでいるんでしょう。そんなこともきちんと答えられないで、何が大臣ですか。

 知らぬのだったら、部下がやっていることに対してちゃんと把握できていなかったということじゃないですか。部下はきちんと、このIQが低い層に対して、ターゲットにする広告を打とう、それも共感して、随意契約をしようというところまで共感していたわけでしょう、この企画内容に。それについて責任を感じないのか。自分がどういうふうにこの企画案について把握すべきだったのか、その認識は全くないわけですか。

○竹中国務大臣

 会社がつくった資料につきまして、これは私が説明を受けたことはございません。

 そして、事務方は事務方として、タスクフォースにおいて、先ほど申し上げましたように、主に大都市圏で購読者の多い全国紙での新聞広告、サラリーマンや女性に向けた雑誌広告、主に若者を対象としたラジオCM、国民一般を対象としたインターネット・バナー広告とともに、地方で折り込みチラシの配布を行う広報のパッケージが、これは事務方として提案をされたわけでございます。

○中村(哲)委員


 提案されて、それで結局採用したのは事務方なわけでしょう。じゃ、そのことを報告を受けているわけじゃないですか、あなたは出演しているんだから。

 そんな認識でいいんですか。今の大臣の御答弁、きょうもマスコミの方がたくさんいらっしゃっていますけれども、国民の皆さんがインターネットの中継でも聞いて、ああ、竹中大臣、本当にいい、私たちにわかりやすい答弁しているわね、そういうふうに言ってもらっていると本当に実感されていますか。僕はちょっとその神経を疑いますね。

 この話については、あなたの姿勢があらわれているということですから、よくよく国民の皆さんにこれからも見てもらったらいいんじゃないかなと思っております。